
Vestergaard Frandsen
17 pm @Saket New Delhi
今回のインド出張の2つ目の目的は現在広告代理店 と企画を進めている新種のプロモーション提案の重要なパートナー企業のインド支社を訪れる事である。
僕が経営している会社はインドやバングラディッシュと言った国々で一日2ドル未満の購買力しか持たない生活者に対して彼らのニーズに即したプロダクトを開発したり、彼らの潜在的なニーズを満たす商材を世界のメーカーから取り寄せ流通をさせる事である。
今回はその中でも商品の流通を確立させる為のプロジェクトと言ったところである。今回流通させる商品はライフストローという携帯型の浄水機という優れもので、一本で700ℓの水を浄化する事ができる。これ一本で約1年間は清潔な水が確保できる。

全世界の子供たちの5人に1人、4億人は、安全な水が飲めない(Unicef)
そんな世界の課題をこのライフストローは解決してくれる可能性を秘めている。このライフストローを開発し、国際NGOを通して世界に流通させているのがVestergaard Frandsenというスイスに本社を構えている会社だ。僕たちのパートナーでもある広告代理店のクライアントが抱えている課題を検討している際に、僕の会社で大活躍してくれている山本がこの製品と会社を見つけ出し、先月商談をしに早速NYの支社に僕は飛んでいた。PR担当のピーターさんとエリザベスさんにお会いする事ができたことはその後、企画を進める上でも非常に心強いきっかけを与えてくれた。訪れたオフィス自体も非常にセンスがよく、マンハッタンの中心に支社を構えていた。設けながら少しずつ社会をよりよい方向に動かす会社で働いている事に満面の笑みを浮かべて『where I am working is more than amazing』という姿に少し嫉妬した。笑 僕たちが目指すべき会社に出会えた事も嬉しい事は言うまでもない。
実物を手に入れ、企画の方も順調に進み、いよいよ商品をスイス本社から取り寄せるという段階に至った。商品を供給する候補地としてインドもしくはバングラデシュという水問題を多く抱えている国が挙った。ただ、バングラデシュには支社がない為インドの支社訪問を余儀なくされたという理由もある。発展途上国内での商品のリュ売る通は非常に困難な点が多々あるのだが、慎重、且つ、念入りに企画を進める為にもパートナーとして同社に様々な協力をいただく必要が有る為、そのような状況下では顔を合わせて話し合う方が都合が良い。(写真:10月に訪れたNYのVestergaard Frandsenの支社にて)


Vestergaard Frandsen
この製品の信頼性は大学機関からのお墨付きはもらっている。しかし、いざ現場で使用するとなるとやはりなかなか話は進まなくなるものだ。特にベンチャーである僕の会社が介在しているとなるとなおさら信頼は得にくい。そんな中でインド支社の商談の計画が進んでいった訳である。商談というよりは半ば強引なカタチで現地に訪れた僕らを迎えてくれたエリアマネージャーのMr Vineet Guptaは電話越しで『話は解った。とにかく一度オフィスで話そう』その数時間後に商談はスタートしていた。この製品の購入方法や実際ライフストローを供給する現場のパートナーの重要性など前回以上にdetailの話ができた事は何よりも嬉しかった。
ボルヴィックの1ℓ for 10ℓでおなじみのような社会的なCause(主張・問題)、例えばこの1ℓ for 10ℓの場合は”清潔で安全な水が届いていない国の生活者が抱える水が派生する課題解決に商品の売上の一部を使う”とし、発展途上国の水事情に詳しい日本の生活者は勿論、そうでない生活者には社会的な主張に対して意識と関心を高める『コーズプロモーション』を進めながらプロジェクトを進める必要性がでてくるわけだが、同時にこの水問題というCauseに当該企業の理念や商品などをつなぎ合わせた商品販促活動がkey factorになってくる。この擦り合わせを利益ベースで考えてしまうと、やれ予算がどうのといった企業側の予算管理機能が働いてしまって中途半端に終わってしまうおそれがある。昨今では、日本でもにわかにこういった企業の商品販売に指定したCauseを支援する『Cause related marketing』が活気づいている。ネピアの千のトイレプロジェクトもその成功した例として注目を集めていたが、こういった類いのプロモーションは企業に対して利益ベースだけの思考では推進できない事実を知る必要がでてくる。また、それなりのリスクは存在している事も容認する事も重要である。リスクヘッジをする為にも、大半の企業は公益活動のプロとして活躍されているユニセフと連帯したプロジェクト推進が多発するのも自然な流れで、ユニセフはどこの国をフィールドにしてもローカルのNGOや農村の奥地に存在するコミュニティーともパイプを持っている(正確に述べると末端のコミュニティーと繋がったローカルNGOへのパイプ)。また、国際機関としての絶対的な信頼性がある為、先進国内での促進活動の信頼度もあがる。
ただ、中小企業の予算だとユニセフに支払える程お財布に余裕がなく、上記のようなやり方ではどうしても一定(ネピアやダノン)の企業しか実施できないという構図になってしまう。また、相手企業の規模に関係なく、これらの促進活動は社会貢献活動の一環でも本業とかけ離れたCSR活動でもなく、あくまで企業側としては自らの商品を適正な価格でより多くの人たちに購入してもらう手段でしかない。企業側とのコミュニケーションではこの部分を忘れてはならない。
なぜなら、どうしても企業サイドにはこういった寄付型の販促活動のイメージとして“寄付”という言葉が頭に残ってしまう傾向がある。そこで、僕たちはクライアントサイドに発展途上国を巻き込んだプロモーション活動の先に“途上国内でのビジネス展開(自社製品の販売活動)”という発想を持ち込む必要があると声高に提唱している。本業を通じた持続可能な営利活動が現場のニーズや課題を解決する一端を担うという構図だ。経営者としてもこちらの思考の方が腑に落ちるらしい。
例えば、日本には中小企業という規模でありながら、世界市場占有率が50%以上となる技術系企業がたくさん存在する。その中に、水を浄化させる技術に長けた企業がこのバングラデシュやインドなどの水問題を抱えた企業に進出する事は多くのビジネスをチャンスを生み出す事にもなる。勿論、一人当たりのGDPなどは日本の額とは比べ物にならない前提を真摯に受け止めながら経営戦略を練る必要性も生じてくる。また、グローバル化が加速する中でバングラデシュを一つ挙げても凄まじい勢いで成長を遂げている国に変貌しつつある。やはり、今の市場規模で戦略を描くのではなく、5年、10年、30年といった長期的な視野で新たな市場のドメインを確保するハングリーさが今まさに日本の企業には求められている気がする。任天堂のモノ作りの方程式にもあるように“枯れた技術の水平思考”という概念を新しい市場に適応させて考えて見る事で、新しいビジネスは宝の山のように眠っている事実にどれだけ真剣に会社のビジョンを乗せられるか?
だからこそ、僕たちには新しい市場(発展途上国)の声やニーズを観察しながら、いつ出会うかわからない現状に甘んじていない(ベンチャースピリットを持つ)企業にその新市場でのビジネスの可能性を伝達していく事が日本の有力な企業の進出に貢献できると考えている。
話は戻るが、今回のケースで関わりを持っている僕たちのクライアントはユニセフに依頼できる程の予算を持っていない。ならば、違う考え方でこのプロジェクトを進める必要があると考えている。要するに、自ら現地パートナーを探し出し、交渉を重ねてより現地の社会的な主張や課題を満たす仕組み作りを押し進める必要があるというわけだ。
Vestergaard Frandsen IndiaのVineetさんとの商談の中でその現場をバングラデシュに選定する事に決めた。すると次の行動が自ずと見えてくる。現地のNGOとの連帯を自らの手で進めない限りこれ以上プロジェクトを前進させることできない。Vestergaard Frandsen Indiaでの商談の6日後に実際僕はバングラデシュの巨大NGOと交渉を進める事になる。(こちらは後日ブログにて)バングラデシュへの出張は当初から計画していたので問題はなかったのだが、インドで実際にライフストローがどのように使われているか?また、本質的な生活者のニーズを捉えた(例えば価格面)商品としての認識があるのか?色々と調査するべき項目はあったのだが、インドでその現場視察は実現しなかった。悔しい。
一つだけ感じる事は、インドであれ、バングラであれ、文化・環境が全く違う国でのビジネス展開は日本の常識は持ち込めない。僕らの行動指針が5つ程あるが、その中でもIntuition(直感)とFlexibility(柔軟性)さらに、Craziness(馬鹿さ)がないとここでの戦は何もスタートしない気がした。
本村拓人
前略はじめまして、本村様 私は日本東京で料理人をしています、先日たけしの番組で中国は北の国境に住むご家族がテレビに出ていました、その家族には井戸が有りますが、苦い水しか出ません、もうひとつの家族には甘い水(美味しい水)が出ます、奥さんは出稼ぎに行きほとんどの収入で飲める水を買い、水ひとつで貧困の差が出るなんて日本では考えられません、こうした国への人道支援を私もやりたく思いメール致しました!近い将来社会起業家になり貧しい国へのボランティヤ活動をしたいと思ってます!お力をお貸しください!太田耕二